地域の美術史をたどるあかがねミュージアムの独自企画展シリーズ第4弾「新居浜の美術 昨日・今日・明日Ⅳ」が12日、愛媛県新居浜市坂井町2丁目の同ミュージアムで始まった。「郷土へのまなざし」をテーマに、市にゆかりある美術家45人の作品や資料計約130点を並べている。12月18日まで。
 旧郷土美術館の収蔵品に加え、市内の住友グループ企業などから作品を借りて構成。戦後、市内に洋画塾「オリゾン洋画研究所」を立ち上げ、若手画家を育てた西沢富義(1915~74年)、多喜浜塩田の創業家に生まれ、市内初の油彩画展覧会を開いた岡本忠道(1888~1983年)ら市の美術の隆盛に大きな足跡を残した洋画家や陶芸家の作品をずらりそろえた。
 未来的な画風で知られる市出身のイラストレーター真鍋博(1932~2000年)のコーナーでは、ポスター作品や油彩など16点を紹介。中でも、飼っている鳥を亡くし悲しむ女性をモチーフに描いた油彩「人物と鳥かご(仮称)」は、1954年に市内のデパートで初めて開かれた個展以来の一般公開となる。
 担当する学芸員は「沿岸部の工場地帯や太鼓祭りなど地元ならではの題材を扱った作品が多い。楽しみながら郷土美術に親しんでほしい」と話している。
 19日には、小学生対象のガイドツアーが開かれる。参加無料。問い合わせは同ミュージアム=電話0897(65)3580。